第１回畏国縦横無尽ウルトラクイズ

第１チェックポイント・魔法都市ガリランド

　第二次予選のジャンケン地獄を潜り抜けたのは、五十人。しかし、次なる目的地・ガリランドで彼らが待っていたのは、神秘の魔法ではなく、たくさんの書類であった。
　ガリランドにある王立アカデミーの、その中の教室にラムザ、ディリータを始めとする参加者達は案内された。そうして、不審に思いながらそれぞれ着席した彼らの前に配られたのは──そう、紙の束とペン。びっしりと三択問題が書き連ねられたそれは、いわゆる「学内四百問ペーパークイズ」というやつである。
　殆どが既に学業から足を洗って久しく、かつ、浮かれ気分がまだ抜けない輩も数多く、教室はすぐに阿鼻叫喚となった。
　一問あたりに約一呼吸分の時間。
　必死に問題に取り組みながら、参加者たちはこのクイズのとんでもなさをじわりじわりと認識し始めたのである。
　ちなみに、このクイズをトップで通過したのはオーラン・デュライ。南天の知恵袋・研鑽を積まねばなれぬと謳われる占星術士なだけはあった。二位はクレティアンで、ちょうどこのふたりはアカデミー時代の順位が逆転した格好となる。三位は自身がクイズとして出題されたためか、それともやはりこの職業は多くを知らないとやっていけないことの証なのか、怪盗ゼロだった。
　さらにちなみに、ワーストでこのクイズを潜り抜けたのはムスタディオだったが、本人いわく「アカデミーで勉強すること相当多かったぜ、あの問題！」と大層ご立腹で、マメコウからもらった「学内ワースト」のタスキを何故か頭に巻き、門に向かってあっかんべをしたのだった。
　ガリランドから次の目的地・オーボンヌへ向かうことができたのは、三十五人。この世界のデータがほとんどないクラウドや、まだ年若いラファなどが脱落する格好で、一行は別れの涙を拭い（かどうかは知らないが）次の地へと向かった。

おまけ：学内四百問ペーパークイズ（の一部）