第1回畏国縦横無尽ウルトラクイズ

プロローグ

 ガリランド商工会議所青年団は、真剣に悩んでいた。
「毎年毎年魔導大会ってのも……飽きるよな」
「下手したら街吹っ飛ばされちまうしな」
 毎年開催されるガリランドの魔導大会まであと半年。だが、主催元である青年団は、この毎年当然のように開催される魔導大会に辟易としていたのだった。
 準備ばかりかかる。毎年どんどんレベルが高くなるのはいいが、自分達にはその凄さが理解できない。レベルが高くなるにつれ、街を破壊する規模も大きくなっている──等々。
 しかし、もし仮に魔導大会をやめるとするならば、きっと凄まじいブーイングの嵐となるだろう。それを想像するのは誰の頭でも容易かった。となれば、他の案を考えなければならない。沈黙が狭い部屋を支配する。
「金ないのは……他の大会開いてる街も同じことッスよね」
「まあな」
 新入りの確認に、青年団長は頷いた。大会に関する予算は年々削られている。それはヤードーもゴーグもザランダも同じようだった。
「じゃあ、合同で何か大きな大会開くってのはどうスかね」
「何?」
 その部屋にいた全員がにわかに身を乗り出した。
「い、いや、皆困ってるんだったら全部足しあわせて、景気よくどかんと大きな大会を……すんません、ナマ言っちゃって」
 小さく縮こまる新入りの言葉は最後までは聞こえなかった。だが、その言葉に身を乗り出したまま、青年団の団員は互いに顔を見合わせた。
 景気よく。大きな大会を。元々がお祭り好きな連中である。意気消沈していた彼らの瞳に力が戻ったのに苦笑しながら、団長が言葉を継ぐ。
「なかなか良い案かもしれん。各都市に打診するとして……それで魔導大会ばかりやるわけにもいかんな。何をやる? 何を争う?」
「あー……」
 新たな問題に団員はそれぞれ、頭を抱えた。大きな大会は魅力的だが、各都市が合同でやるのだとすると、その中身も偏りのないものにする必要がある。
 我らがガリランドは魔導大会。ヤードーとザランダは武術大会。ゴーグは職人コンテスト。なかなかどれもがクセの強いものばかりだ。これらをうまく融合した大会とは、何か。
 その時、部屋の隅にいた長身の団員が小さく呟いた。
「ガリランドとゴーグで競われる知力。ヤードーとザランダで競われる体力。……そして人間にとって最も重要なもの……それを競ってみてはどうだろうか」
 おお、と団員達はざわめいた。新入りも含めた全員が彼を見つめ、次の言葉を待った。
 知力。体力。そして。
 なかなか次の言葉を言わない彼に、全員が焦れた。企画立案の興奮は既に各々の胸に渦巻き、噴出しようとしているというのに。
 故に、団長はまた促す。発言した彼と団長の目が合い、双方がにやりと笑んだ。
 知力。体力。そして。
 笑みを作った口の端を開き、そうして彼は小さく呟いた。

「……時の運だ」

ルート紹介

晴天のマンダリア平原で繰り広げられた熱い○×バトルの末に勝ち残った挑戦者たちを待っていたのは、第2次予選、ドーターでの一騎討ち! 第1チェックポイント・ガリランドでは懐かしの青春時代に戻って地獄の??? 第2チェックポイントはオーボンヌ。イヴァリースを代表する砂浜でスタッフがにやり? 第3チェックポイントはゼイレキレ! 叫べ、滝に向かって! 第4チェックポイントはベッド砂漠! 君はコレが読めるか!? 第5チェックポイントは王都ルザリア。夜討ち朝駆けきもだめし! 第6チェックポイントはグローグの丘で血みどろに?? 第7チェックポイントはゼルテニア! イヴァリースの現状が今明らかに!! 第8チェックポイントはザーギドスで花売り修業! 第9チェックポイントは空中都市ザランダを目指して階段地獄! 準決勝はゴルゴラルダであの4人が対決!? そして最後は決勝・ディープダンジョン。ここまで辿り着けるのはたったの2人!