「テンプルナイツ交響楽団 3rd stage」を聞いてきました

ゲーム

去る2021年7月4日、「テンプルナイツ交響楽団 3rd stage」(以下Tオケ)が所沢市民文化センター ミューズで開催されました。演目は「ベイグラントストーリー」です。

こちらのコンサートは昨年2020年に開催される予定が、COVID-19のバカヤロウのせいで1年延期。どうなるのかなあと思っていたのですが、できうる限りの対策をなさって無事開催されたこと、本当に本当に嬉しくありがたく感謝の気持ちでいっぱいでした。

さて、ベイグラントストーリー(以下、ベイグラ)といえば私にとってはもーもーなんと申しましょうか最近使われる言葉を借りるならば「尊すぎる…」ゲームであります。
発売当時の思い出も未だ鮮明にあったりして、体験版やデモムービーで度肝を抜かれたなあとか、キャラクター絵がとんがりすぎててこれは親に見つかったらヤバイと思ったとか、公式サイトがかっこよかったよなあとか、壁紙今も使ってますとか、プレゼントのワインが当たらなくて悔しかったなあとか、プレイ中&クリア後に物語の理解がすぐにはできなくて掲示板であれこれ情報交換と議論と感想を積み重ねたなあとか、その際にエピローグのシドニーの涙を知ったとか、公爵の涙も知ったとか、最短でレアモンデ市内マラソンは5時間半だったなあとか、ぐるぐる視点を変えてじっくり観光もしたなあとか、ほとぼり冷めやらぬ状態で同人誌作ったなあとか…。最後のはとりあえず置いといて、自分的特別なゲームのうちの1本であることは間違いありません。

そんなわけで、ベイグラの曲を生演奏で聞いてみたいなあという想いは当時ありました。フルオケ…はスタッフロールだけ?と思っていたのでせめてそれだけでもと思い、それも「まあ夢だろうなあ」と諦めてはいたのですが…いやまさか。まさか、本当にそれが実現するとは。しかも21年も経ってから! 事実は小説よりも奇なり、とはよく言ったものです。すげえ。

聞くところによると、編曲者の方の強い要望によるものだったそうで、企画オケはそうでなくちゃ!と思いました。強い想いがすべてを動かすんだなあとしみじみ感動したり。


ということで、そろそろコンサートの感想を書き連ねたいと思います。会場のミューズがある航空公園はでかいな!歩きやすいな!と雨の中歩きつつ思ったのですが、そんなあれこれはとりあえず置いておきます。
なお、ここから先はさらにとっ散らかった文章となりますので、ご了承ください…。


第一部
1. Opening Movie〜Prologue
(Opening Movie / バレンティア治安維持騎士団本部〜バルドルバ公爵邸内)
…ピアノの低音に事件の不穏さを思い出しました。あと、幹部の人がどかどかテーブルを叩いてたのも。聖印騎士団が公爵邸に火をつけたのも瞼の裏に思い起こされて、思わずにやり。

2. グレイランド事件クライマックス
…ながーい曲なのですが、この曲なくしてベイグラ序盤は語れない(とか言いつつ何度かスキップしたなあ←なんということを)。これもイベントシーンをいくつも思い出しました。合唱のケチャ(と言ってよいのか知識不足)みたいな発声に「おおお」と感動。シドニーがアシュレイさんに斬りかかるときの弦やサビに辿り着くまでの長いリピートフレーズに緊張感を覚え(そういえばボレロのようだと思いました)、サビへ続く7:43からの切り替わり(大好き)とサビに総毛立ち、最後のチャイムとホルンのファンファーレに壊れた窓(ステンドグラスだっけ?うろ覚え)から差し込む朝日を思い出し…。いやあああもうこれ聞いただけでごはんおかわり!と内心叫びました。
でも、ゲーム版になっているとは気付かず…気付きたかった…!

3. レアモンデへ
(序文〜グレイランド事件に関する調査書 / 閉ざされたレアモンデ / ミノタウロス)
…初見のときに序文でめっちゃ動揺したなーと思いつつ、「閉ざされたレアモンデ」のトランペットがとても好きなんです。なので、生で聞けて感激しました。
それにしても今回思ったのは、「いつの間にか低音(パートではなく、音程)が心地よく感じるようになったんだなあ自分」ということ。ベイグラが高音と低音に割とパッキリ分かれているのでそう感じたのかも?

4. 追憶
…あああああああT_T フルートの音色とテンポの揺らぎにアシュレイさんの心のなかを思い出されて…あああああああ(言葉にできない) 切ない…。

5. 地下墓地〜地下教会
…ここでは、特に「地下教会」の合唱(コーラス)がとにかく心に響いたというか心を抉ったというか、神秘を感じました。そして、最後に響き渡る大聖堂の鐘の音(チャイム)。おおおとここでも思わずにやり。

第二部
6. Factory
…こんなに木管が美味しい曲だとは気付かず、それだけではなくオーケストレーションの妙を感じました。フルートやオーボエもですが後ろのクラリネットが素敵。
ベイグラの楽曲のなかで一番長く聞いてる曲なのですが、それだけ耳馴染みのある曲。でも後半はこんな感じだったのか!と新たな発見。こちらも良かった…。

7. 聖印騎士団
(聖印騎士団 / ティーガー&ニーチ)
…「ティーガー&ニーチ」の跳ねるフルートがかっこいい! しかしなんという変態曲ばかりとここらへんから認識を新たにしました…。いや、分かってたんですけど大変な曲が多いよ…好き放題作ったのが分かって楽しいよ…。それを乗り越えていくTオケの皆さんがすげえ。

8. 廃坑第1階層〜もう一人のリスクブレイカー〜羽虫の森
(廃坑第一層 /  もう一人のリスクブレイカー / 羽虫の森)
…余談ですが、サントラCDの曲名が「廃坑第一層」「廃坑第2層」と漢数字とアラビア数字になってるのはミスなのかなあ。廃坑第1階層の不気味さを思い出しつつ、「羽虫の森」のイントロに唸りつつ、ハープに感動。

9. 偽りの記憶
(追憶 / 偽りの記憶 / 洗脳)
…アシュレイさんの動揺と混乱が伝わるようなメドレー曲。「洗脳」のメロディが不安を掻き立てつつ、何故か心地よくも感じるのが不思議。

10. 廃坑第2階層〜地下街
(廃坑第2層 / 地下街)
…廃坑はどちらも好きだなあと思ったのですが、第2階層のほうが好きかな? 走り抜けなきゃいけないのはどちらでしたっけ。絡み合う各パートと響き渡るコーラスが良き…。
「地下街」はコーラスが!床ばしもので! やっぱりあれはクイックシルバーが踊ってるのですよ!ハーピーじゃないよ!リッチさんでもないよ! 私にはそう聞こえます…「ライムストーン運搬溝」も好きだけど、「地下街」もほんっとうに大好きなので聞けて嬉しかったです。

11. BOSS
(デュラハン / ワイバーン / イフリート / ファンファーレ)
…「デュラハン」で目頭が熱くなり、「ワイバーン」のあのテンポは鬼だと思い、みんなだいすき?「イフリート」で鳥肌が立ちつつ内心で床ばしをし(注:なんと形容すべきか分かりませんが、とにかく暴れたくなるほど激萌えな様子)、「ファンファーレ」のドラムロールで回転するリールを思い出して思わずくふふ。

第三部
12. 鍵
(ジョシュア2 / ジョシュア / 逆聖印の入れ墨 / 回想)
…ここではもう何も言えない気持ちでいっぱいでした。没入する感覚で聞いてた…ジョシュアの曲と見せかけて実は…というあたりを演奏を聞きつつ思い出されて…もうもうもう。「逆聖印の入れ墨」が特に好きだけど、ここはとにかく胸が詰まりそうでした…。真相が明らかになったときのショックを思い出す…。あと、「回想」…あああああ。日本語崩壊。

13. ライムストーン運搬溝〜キルティア神殿〜大聖堂
…冒頭のピアノがすげー好きなので、聞けてよかった! やっぱりかっこいい! 「キルティア神殿」も(ここはパズルだらけで苦戦した思い出が強いのですが)怪しげで神秘的で、そんな印象を崩さないのはすごいなあと思いました。
そして「大聖堂」に入る前の鐘の音(チャイム)! そうだよ、キルティア神殿から出てきたときに鳴ってたな!と思い出し、これも床ばし。のみならず、「大聖堂」はすごかった…序盤の分解アレンジがすごくマッチしていて、次第に原曲の動きに近くなり…高みに到達するさまを描いていたと思います。大好きだー!

14. 大聖堂屋根裏
…こーれーがー聞きたかったーのーでーす! コーラスとピアノの響き渡るのがあまりにあまりであのときのすべてを思い出されて(語彙力)、ホールの天井を思わず見上げてしまいました。

15. 真実
(転生の宴 / 真実 / 異形の者)
…「真実」はティアさんの言葉を思い出した…こうしてゲームを思い出すよすがのひとつとして音楽は重要なんだなあと思いました。綺麗だけじゃない、でもあの青空と散っていく光はこれからもアシュレイさんの中にあるのかな…と祝電の中の言葉にも思ったり。
「異形の者」に入る前のグロッケン(でいいのかな)がよかった…。たぶんサントラ曲より少し長めだったと思うのですが(違ってたらすみません…)、これから最後の戦いだぞというのが分かって、どきどきしたものです。しかしこの曲は(も)大変だ…弦の皆様すごすぎる…。

16. Ending〜Staff Roll
…「脱出」のコーラスがよい…。逃げ惑う魔物達の末路とティーガー&ニーチ&グリッソムとシドニーを抱えるアシュレイさんの背中がやっぱり浮かぶのです。だけじゃなく、他のエピローグ曲もピアノのぽろぽろと涙のように跳ねる音を、弦の温かさを、ハープの切なさを存分に引き出していて…そしてアシュレイさんの放浪者としての物語が始まる(はずだった)なあと…うわーん。
「Staff Roll」はこれもずっとずっと聞きたいと思ってたので、聞けて本当に嬉しくて嬉しくて。冒頭の「スイー」と入ってくる弦(&ハープとトライアングル)についにホロリと涙し、それぞれ奏でられるメロディにしんみりし、もう終わっちゃうんだなあと思うと「もう一度最初から聞きたい」と思ってしまいました。いや、何度でも聞きたい。
前に「低音好きになった」と書いたのですが、この曲のみならず、各楽器の「心地よい音域」というのがあちこちで聞けて「いいなあ幸せだなあ」と思いました。ローゼンクランツの怖い絵のところでハープがかき鳴らされたのは「にやり」でした。あの絵、ロメオさんだけもやたら怖いですよ。
しかし「Staff Roll」はトランペットが大変な曲だということを改めて感じました。屋台骨だ…! 私はその裏で刻まれる弦も好きです。そしてこの部分は明るくて、これからを想起させて…そして青空。あー…。


ということで、プログラムに記載されていた楽曲についてはこんな感じでした。長々と書いてしまいました…。
そしてその後の「放心状態でオープニングムービーが始まった」ことを思い出させる再演奏に「ぐふっ」と変な声を上げそうになったり、ボウガンで指揮者の方を射る流れに大笑いしそうになったり(これはTオケの伝統?なのだとか)、来場されていた咲元さんのお話を興味深く聞いたり…こちらも濃かったです。
…しかし、野望と欲望をここまで展開させたすごいお方、メイン編曲者の方に心から感謝したい…。ありがとうございます!

最後は2周目。グレイランド事件クライマックス後半をありがとう! そうですよね、ベイグラは周回ゲーですもの、何度でもぐるぐる回ってマップ100%を目指さねば!
物語の要素も2周目以降で深みが出るとよかったなあなんて思いつつ、「現行機でプレイできるようになんとかしてくださいリマスターがいいな(リメイクは望まない)スクエニさん!」とどこに上げたらいいか分からない願望を抱きつつ、ふらふらとレアモンデ…じゃなかった、所沢を後にしました。
…ちなみに、所沢駅で乗り換えを間違いそうになったというオチ付きでした。それくらい充実したコンサートだったのです!


余談。
そういえばアマチュアの企画オケコンに行ったことがこれまでなかったな手伝ったことはあったけどな、ということに数日前に気がつきました。行った気になってたのは、家人があちこちのオケのお手伝いをしていたからか?と思ったのですが、それはさておき、ちょっとあれこれこじらせ気味で今まで行く気力が出なかった(そして後で行けばよかった!と騒ぐタイプ←非常にやっかい)のが真実かも。

しかし今回聞くことができて本当によかった…。貴重な経験をありがとうございました。

ということで、感想(?)はここまで! 最後までお読みくださった方にも心からの感謝を!