サン=テミリオン旅行記
今は昔、2007年5月にフランス南西部にあるサン=テミリオン(Saint-Émilion)という街(村?)に行ってきました。かなり前の話ですが、そのときに撮影した写真と簡単な説明を掲載しています。曖昧(うろおぼえ)&間違ってそうな点もありますが、どうぞご了承ください。※このページは同人誌「ベイグラントストーリーファンのためのサンテミリオンレポート本(仮)」から抜粋・加筆修正したものです。
- 目次
- 1 : 何故にサン=テミリオン?
- 2 : サン=テミリオンとは?
- 3 : サン=テミリオンへの行き方
- 4 : 写真あれこれ
- 5 : 思い出あれこれ
- 6 : あとがき
1 : 何故にサン=テミリオン?
アルティマニア(公式サイトにも記述があったような)に「レアモンデ(ベイグラントストーリーの舞台)はサン=テミリオンがモデル」という記述があり、いったいどんなところなんだろうと思ったことから始まります。プレイした方ならご存知のことと思いますが、ベイグラントは背景のグラフィックもとんでもなく素晴らしいです。ずっと街並みだけを眺めてぼんやりしたこともしばしば(2019年に再プレイしたときもそうでした)、そのたびにうっとりしました。そして、そのモデルになったところがあるらしい!と知って飛びつかないわけがありましょうか。…とはいっても、すぐに飛びつくにはちょっと遠いし、色々準備する必要もあります。無理かなーと思っていたのですが、2007年5月についに行くことができました。
2 : サン=テミリオンとは?
サン=テミリオン (Saint-Émilion) は、フランスの南西部に位置する町で、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏、ジロンド県に属する。ボルドーワインで有名なボルドー近郊のワイン産地のひとつで、歴史地区は周辺の7つのコミューンの景観とともに、「サン=テミリオン地域」の名でユネスコの世界遺産に登録されている。(引用:Wikipedia)
世界遺産には1999年に登録されており、そのためかは分かりませんが、ベイグラントの発売された2000年の秋にはTBS「世界遺産」だったりNHKの特番(世界遺産を紹介する感じの番組)で紹介されました。今もボルドー周辺の旅番組などで時折出てくる場所でもあります。
サン=テミリオンはワインでも有名(というか、ワインのほうが有名?)です。上記引用文にもあるとおりワインの名産地で、街をぐるりと囲むようにぶどう畑が広がっています。その全景を楽しむにはプチトランでぶどう畑(プラスしてワインカーヴの見学&試飲もできるコースもあります)を巡るのも良さそうです(伝聞形なのは乗ったことがないからなのですが←悔しい)。
街のなかはというと、古い街並みがそのまま残っている!という具合です。見どころとしてはモノリス(一枚岩)教会や王の塔でしょうか。モノリス教会の地下はガイドツアーでのみ訪れることができますが、この教会について調べてから行くとさらに興味深いものになると思います。私の場合はまるで調べて行かなかったので、ただ「すごい!」と思いながら見てまわってしまいました。勿体なかった…。
ちなみに、世界遺産に行ったこと自体が初めてだったためにほかの場所がどんな感じなのか分からないのですが、(2007年当時では)いわゆる観光地ではあるものの、のんびりしているところもあるなという印象を受けました。とはいえ、観光案内所は立派でしたし、特産のワインを扱うお店は勿論、レストランやお土産屋さんもあります。カヌレ(ボルドー名物)やマカロン(サン=テミリオン名物)を扱うお菓子屋さんもありまして、カヌレを買って食べました。実に美味しかったです(後にマカロンこそがサン=テミリオン名物だということを知りました。こちらも食べればよかった!)。
サン=テミリオンのおおまかな地図です。ワイン祭りのときに登るという塔(地図中の8番)は「王の塔」です。のんびり散策していたら時間がなくなってしまい、登りそこねました…。
最後に、この記事を書くにあたって参考にしたサイトのご紹介です。
3 : サン=テミリオンへの行き方
サン=テミリオンへのアクセスについてざっくりと。「ボルドーからのツアーに参加する」というのが一番楽かと思いますが、個人で自由行動するのは少し難しい側面もあるかしれません。思う存分ベイグラントの雰囲気に浸りたい…という場合には自力でアクセスすることをおすすめします。
- 実際に訪れたときの手段:
- パリ→【TGV:3時間半】→リブルヌ(Libourne)→【タクシー:20分ほど】→サン=テミリオン郊外のホテル→【レンタサイクル:30分ほど】→サン=テミリオン
- ※リブルヌはTGVが停車する駅(すべてのTGVが止まるわけではないのですが)です。サン=テミリオン駅が本当は最寄り駅ですが、ボルドー(Bordeaux-Saint-Jean駅)からのアクセスになる&本数が少なかったため、リブルヌからのアクセスを選びました。ホテルからはタクシーで行くつもりだったのですが、自転車の貸出をしていたのでそちらに変更。迷いつつもぶどう畑を見ながら向かうのは楽しかったです。ちなみに、サン=テミリオンの次はボルドーに向かったのですが、ボルドーへはリブルヌ駅からTERで行きました。
- 主なアクセス手段:
- パリから:リブルヌ駅(TGV)下車→バス(315番) or タクシー
- ボルドーから(その1):ボルドー発リブルヌ経由のバスに乗る(302番)
- ボルドーから(その2):リブルヌ駅(TER)下車→バス or タクシー
- ボルドーから(その3):サン=テミリオン駅(TER)下車
4 : 写真あれこれ ※無断での転載・使用禁止(Redistribution prohibited)
サン=テミリオンの入り口付近です(裏側かも)。鐘楼は教会になります。
建物(歴史博物館のものかな?)の壁なのですが、街を囲む城壁にも見えたり。
這い具合がもうなんというか、素敵。
曇天だったのが残念ですが、サン=テミリオンはこんな感じの街。遠くに見えるのはぶどう畑です。
モノリス教会です。そういえば地下教会からレアモンデに入ったときに聞こえてきたのは鐘の音だった…!
サン=テミリオンをてくてく歩きながら違う角度で街並みをぱしゃり。
上の写真から右へスライドしてもう一枚ぱしゃり。
上の写真から右へさらにスライドしてもう一枚ぱしゃり。
ぶどう畑が下の方にあります。街の中にもあるのですね。
見た瞬間「なんとなく工房チック!」と思ってしまいました。
小道から教会を見上げました。
朽ち具合が実にちょうど良い…。
5 : 思い出あれこれ
箇条書きにて道中記(という名の思い出)をあれこれ綴ってみました。ベイグラントにはあまり関係ない部分も多い、というかそればかりかも。
- ホテルで自転車を借りてサン=テミリオンを目指したのですが、英語が得意ではない(控えめな表現)ためにスタッフの方の「大きい道は危ないから止めたほうがいいわ、右の農道を行きなさい」というアドバイスを「右のあぜ道を突っ切りなさい」と聞き間違え、ぶどう畑のなかに危うく入り込みそうになりました。
- なんとなくで進んでしまって(地図もない)迷いそうになることしばし、急勾配の坂を登った先でサン=テミリオンの教会が見えてきたときの安堵感ったらなかったです…!
- ヨーロッパに住む皆さんは縦列駐車が得意だなあと実感しつつ、駐輪場めいたところに自転車を止めていざ探索開始。
- レアモンデもといサン=テミリオンに足を踏み入れたときの第一感想は「外も中も繋がっていて、駆け回れるものなのかしら!」でした。そして「レアモンデの市街地…!」と感動することしきり。
- 街の入り口付近にあったワインショップ?ではワインの工程の展示がありました。それも興味深かったのですが、ドアノブがぶどう模様でとても可愛かった、という印象のほうが強かったり。
- ロマネスク様式の教会から回廊を経て、オフィス・ド・ツーリズム(観光局)に入りました。観光客の方々がガイドツアーを申し込んだり、お土産品を買っていたりと賑わっていました。結構ぎゅうぎゅうだったような…。スタッフさんは数カ国語OKという人ばかり。すごいなあ。ただし、日本語ができる方はこのときはいらっしゃらなかったかな?
- オフィス・ド・ツーリズムでは記念メダルのガチャガチャを見つけました。この日は買わず、2日めにゲットしました。モノリス教会が彫られているメダルでした(1枚2ユーロ)。
- 街中に出、さてはてどこを歩けば良いだろうと思いながらふらふら〜と歩き始めました(危ないな)。街ごとすべてが感動の嵐なので呆然としていたというほうが正しいかもしれません。
- 小雨がぱらつき始めたのですが、傘はささなくても大丈夫なくらいでした。よかったよかった…でももう少し晴れてくれてもよかったのに…。もっと光をー!
- そぞろ歩きながらあちらこちらのお土産屋さんなどを覗きました。どのお店もおおむね同じラインナップで、オフィス・ド・ツーリズムのほうが「らしい」ものを置いているかもしれません。木製の剣を売っているところがあって「ところ変わってもこの手のは変わらないんだなあ」と思ったりもしました。
- 教会の鐘の音を聞いて(同行の相方を放っておいて)ひとりで感動。アシュレイさんが思わず眩しいと感じたあの瞬間がよみがえりました。
- と、ここでタイムアップ。曇りとはいえまだ明るい(でも結構遅い時間)…うーん無念と思いつつホテルへ戻りました。ガイドツアーも参加できず(時間が合わなかった)に帰るのももったいないなあということで、次の日も来よう!と決めたのでした。
- 2日めです。晴れていて葡萄がたわわに実った時期なんかは摘み取る人とかで大賑わいなんだろうなあと思いつつまだ駐車場はスカスカな裏手の道路を通って、昨日止めたワインショップの前に自転車を止めました。
- ガイドツアーに参加する前にもう一度教会(ロマネスク様式のほう)を訪れました。中庭の回廊では鳥のさえずりが聞こえ、うっとり。
- 自分でも何を思っていたのか今もって不明なのですが、この旅ではアルティマニアを持ってきました。あんなに重いものを何故持っていったんだろう…(ほかのものでも良かったのでは)。さておき、それを街中で掲げ持ってぱしゃりと撮影。これで良しと満足しましたが、しかし本当になんであれをチョイスして持っていったのか…(今も自問)。
- 資料を買うぞ!とオフィス・ド・ツーリズムでガイドブックやポストカード(イラスト)を買い込みました。フランス語のものも買ったのですが、勿論読めない…。なので眺めるだけに留まっています。
- オフィス・ド・ツーリズムのスタッフさんが忙しすぎて踊っていました。
- ガイドツアーではモノリス教会と地下墓地(カタコンベ)などに行きます。カフェ広場にある門からガイドさんが持っている鍵で扉を開けて中へ。
- 地下へ続く階段の狭さとつくりにまずベイグラントを思い出し、説明が終わって出るときに鐘楼を見上げて眩しさに手をかざすという芸当?をやってみました(曇りなのに!)。
- その階段の下はというと、ライムストーンを切り開いてつくった地下迷宮(みたいな感じ)。ただしちょっとしか入ることができないのでじっくり見て回るわけにはいかず…。
- 後はロマネスクとゴシック様式の合体技みたいなシンプルだけど明るくて床がキルティア神殿みたいな教会があったり。
- カタコンベの天井には穴が開いていて、そのまわりには天使のような絵がうっすらと彫りこまれていました。この穴が天上と死者をつなぐとかなんとか…聞き取れなかった…。
- ワインカーヴは一時期まで使われていたようですが世界遺産に登録されることになったため、現在は使用されていない模様。ここにぎっしりワインがあったらそれはまさにワイン貯蔵庫でしたね…。しかも石柱がもろくなってきてしまっているので今は鉄の補強材で頑丈に補強しているとのこと。
- さすがに地震はこの地にはないですが、「生き埋めはごめんだな…」とアシュレイさんがつぶやく気持ちも分かります。でも広々としていて、今まで狭いところを通っていたので開放感がありました。
- そのほか、「ゾディアックほにゃらら」と聞こえてきてピコンと反応。天井にサジタリウスとジェミニの彫り込みがワインカーヴにはあるそうです。ゾディアックと聞いてFFTを連想したのは…いや…その…あの。
- ガイドツアーが終わり、これにてサン=テミリオンの探索は終了となってしまいました。もっとあちらこちら見たかった…王の塔も登ってませんし、プチトランにも(このときあったのかな?)乗らなかった…心残りありまくりです。
- サン=テミリオンからホテルへの自転車での帰り道、家の前にある郵便受けみたいなところにパン(バゲット)がそのままぽいっと差し込まれていてびっくり。妙にインパクトがありました…。
6 : あとがき
行ってよかったなあ…また行きたいなあリベンジしたいなあと今も思っているサン=テミリオンですが、何がそんなによかったのかしらんというと、それは「空気」だったのかなあと思っています。ベイグラントストーリーの舞台・レアモンデのモデルというバイアスは相当あったのですが、あの景色を見ることができたのは本当に幸せでした。
今度行くときは、ボルドーに1週間ほど滞在→そこからサン=テミリオンへお出かけ→天気が良さそうな日に朝から夜までじっくりということをやってみたいです。いつか!きっといつの日か! …叶う日が来るといいな。
以上、サン=テミリオン旅行記でした。お読みいただきありがとうございました!
2007.12.29 / 2019.06.01