第11回  ヘンリー・テューダーのその後

 前コラムで私が書きたかったこと、それはただ単に「ヘンリー7世ってディリータだよね?」ということだったりするのです。そうしてこれがきっと正しいのでは、と思われます……裏も知れば。多分。
 実を言うとこのヘンリーさん、上で四の五の書いていますが王位を継承する権利など実際問題これっぽちもなかったのです。それを無理矢理、しかも周囲を錯覚させるような方法で(ある意味、彼は英雄ですし)彼は王位を簒奪します。その上で王位継承者としての地位を固めるためにエリザベスと政略結婚するのです。
 ゲームの中ではディリータがどういう王政を敷き、どのような政治をしたのかほぼ語られず、ただ「長く平和な世を築いた」とのみ書かれてあるにすぎません。しかし、私は勝手に想像します。ヘンリー7世を下敷きにその後の彼がどうであったのか、部分的に。
 簒奪者であり、その地盤が悪い(脆い)ヘンリーはそれを気にしていました。そして、それを補うために様々なことをしたとされています。実際、彼の地位は決して安穏としたものではなくむしろいつ狙われてもおかしくない、そんな状況が続いていたといいます。それから逃れるために簒奪者と呼ばれるのを過度に気にしていた……と。
 そして、善王と呼ばれるくらいですからヘンリーの政務活動は国内外あわせて非常に巧みかつ素晴らしい(と書いてあった、なにかに)ものだったとのこと。これもまた、英雄が英雄であり続けるための配慮であったのでは?そして、ついでに女性関係はほとんどなし。1人だけ浮名を流し、子供を生ませた女性はいますが、そんなことをしている暇はなかったと見えます。清廉潔白とまではいかないでしょうが……。

 ということで。以上より考え合わせると自ずとディリータのその後が見えてくるのは……やっぱり私だけか?

1999.01.03