第1回 FFTあれこれ

 第1回はFFTにおける小さなネタを集めてみます。ようするにプレイ中に思ったこととプレイの感想あれこれ。

 FFTというゲーム、始める前は妙に見習い戦士の男の子のイメージが強くて(雑誌に取り上げられてたのも見習い戦士多かったと思う)、ゲームを始めてラムザという人物を知った私です。で、プレイの目的はゲームにクラウドが出て来るのを知ったから…いや、ほんと。しかし今ではすっかりストーリーとキャラにはまってます。
 一度目はなんとなくプレイ、エンディングは先に友人から聞いていたので(ハッピーエンドかどうか)そんなでもなかったのですが、EDを二度、三度と見ているうちに何か沸沸としてきて、それから慌ててブレイブストーリーを何度も読んだのですが、この話って奥深いですよね。互いの利害関係や人間関係、身分や感情のもつれや…で大騒ぎ。そしてそこに絡んで来る戦争、そしてそれを阻止せんと立ち向かうひとりの人間。FFTはただ戦闘をしているとストーリーが見えてこないゲームではありますが、よくよく考えると重いテーマを取り扱っているような気がします。
 ただ、必ずしもその一つ一つの問題やテーマについて、言及してるとは言い難く……。例えば第1章に登場する「身分」の問題など、後続では話されないし……。最後の方は、少しファンタジーに偏りすぎて(それが真骨頂ではあるのですが)、ラムザくんの現実世界での扱いが曖昧のまま終わってしまうし……何かと不満は残りましたが、それ以上に色々考えさせてくれるゲームでした。一筋縄ではいかない人間模様が好きでした。でもって…未だに思うのは、「信じる」ってどういうことだろう、ということ。FFTのひとつのテーマだと思います。そして兄弟というのも、とても重要なテーマだと思います。
 そんなわけで、考察。

1. ラムザとアルマの母親について

 ザルバッグに「所詮妾の子」とまで言われたラムザですが、ラムザとアルマのお母さんとザルバッグとダイスダーグのお母さんというふうに、違ってるのは分かっていることです。で、勿論(?)兄2人の母は本妻なのですが、だとするとラムザ達のお母さんの身分は?
 個人的解釈では、ラムザとアルマのお母さん、この人は下級貴族の人だったと思うんです。庶民の人ではないと思うのは、結果的にベオルブ家にラムザもアルマもいることと、それとラムザとディリータの関係。もしもラムザの母が庶民階級の人だったら、ディリータはジークデンであんなに激しくラムザを詰ることはないのでは……と。逆に、母が市井の出なのに、とも考えられますが、絶対的な身分差に絶望するとしたら、それはラムザも純粋に貴族の血を引いているからでありましょう。
 多分、遠征中とかに行きずりで見初めた人ではある…と思います。それか、本当に側室で、でもって後に本妻になった人とか。ダイスさんたちの母上も出てきませんし、その線も考えられます。
 どのみち、ラムザもアルマもベオルブの家では肩身は狭かった、そのことから考えると身分は低い人だったのだろうな、と思います。そして、少なくとも彼女(ラム&アルマの母上)はラムザが物心ついてから亡くなってます。アルマが初めて出てきたときに「母さんそっくりだな」のセリフがあるからですが……もしかしたら彼女もモスフングスの毒で亡くなったのかもしれません。なんとなくそう思いました。それかディリータの両親と同時期の黒死病か……なんとなく線の細い人を想像してしまうのは何故でしょうか?たおやかな美人だったと思うなあ(謎)。

2. 草笛

 同じく、第一章でラムザとディリータが草原で草笛を吹くシーンがあります。なかなか人気の高い、そして静かなシーンなのですが、私も吹いたことあります。私が吹いた草笛はどちらかというと葦笛なのかもしれないのですが……。  話は全然変わりますが、草笛、というとこのラムザ&ディリ以上に思い出す人物がひとり。昔大好きだったアニメ「ザイバーフォーミュラ」の大友譲二さんであります(ほんとに全然話が違う(汗))。草笛を吹くのが趣味、のレーサーはちゃんとメロディをつけて吹いてた気がする……とそれだけなんですが。ラムザとディリータが物憂げに草笛を吹いているときに、ふと思い出したことでした。

3. イヴァリースの面積と人口その他

 地図を見る限り、イヴァリースの形は半島から突き出た部分のようです。現実世界でいうとちょうどイベリア半島(スペイン&ポルトガル)のような感じです。オルダリーアは海を挟んだ国(五十年戦争の敵国)、ロマンダ(同じく)は多分地続きの国ではないでしょうか?(201710追記:オルダリーアが地続きでロマンダは海を挟んでいる、の誤りでした。これを書いた当初は逆だと思いこんでいました…)
 そして、忍者やら侍やらと造詣が深いあたり、このイヴァリースという国は海運国であったに違いないと推測。そういえば、仕事の中には船を引き上げるのも多いです。引き揚げつつ「よく沈没する国だな…」と思いました。ということは、きっとイヴァリースの周囲の海は海流がぶつかることが多いはず。となると、きっとそこは潮の境目となって魚介類は豊富に……何を言ってるんでしょうか、私は。

 さて、それはさておき、イヴァリースの国が実際にどれくらいの大きさなのか。これを知る鍵として西の端、イグーロスから東の端、ザーギドスまで何日かかるか数えてみると、約12日。12日かかって東西を横断するわけですが、これはプロの足だからで、一般人が歩くと思えばきっともう少しかかることでしょう。そう…半月はかかると思います。
 この前某時代劇コメディを見たときに「東海道は約半月で」というのをやっていたので、きっとイヴァリースの東西も江戸〜大阪くらいの距離ではないでしょうか。とすると、約500kmくらい?面積もちょうど東京から大阪までの地形と鑑みても同じくらいだと思います。そんなに大きくないようですね。きっとどこか西欧圏の小国だと思います、実際は。
 人口ですが、黒死病の流行、そして長い戦争で確かに人口はかつてに比べ、激減していると思われます。しかし、16の都市や城があるのを考えると、500万くらいはいたかな?と思うのですが……。そんなにいないかもしれません。

4. もっと取り上げてほしかった人

 少々感想のようになりますが。FFTに出て来るキャラで、もっと注目されてもいいのじゃないかな、というのをあげてみると、個人的趣味では次の通り。
 オーラン、イズルード&メリアドール姉弟、ベイオウーフとレーゼ。いずれももっと掘り下げれば、きっといくらでも面白いストーリー出て来ることうけあい。そう、7のヴィンセントのように(謎)。特にオーランは後のコラムでもおそらく書くでしょうが、下手をすれば主役以上に主役といえましょう。おいしいところかっさらっております。そして生き方が素敵というか…なんというか。いずれは小説にしたい彼のストーリーです。
 そして、最初から仇役で出てきたメリアと、死に際に泣かせたイズももう少し前から伏線として取り上げればよかったのに……そう、思わずにいられません。全体的に行き当たりばったりですが、少しでも伏線をはってたらもっともっと面白いのに……くう。ED前にオヴェリア&ディリをもう少し見せる、とかそういうのもありますよね。
 で、ベイオとレーゼはブレイブストーリー読まないと何がなんだか分からない……。ゲルモニーク聖典みたいに、ざっと過去を説明してくれればよかったのにな、そう思います。
 かなりマイナーなキャラとしてはアラズラムさん。あとでこの人も書きますが、やはりアラズラムあってこそのFFT(?)。彼の教会との対立や、再公開にいたる経緯、デュライ家の歴史など、紐解くときっと楽しいと思うです。

1998.04